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Q4

インタビュー収録は、Q Drum社の地元、港町カリフォルニア州サンペトロ市のブリューリー・バー兼ハンバーガーレストランで行われました。Q Drum Companyの創業者ジェレミー・バーマン氏とドラムの製造を一任されているマックス・キューザー氏と共に、ランチとビールを楽しみながらの会話を収録したものです。

ジェレミー氏は売れっ子のドラムテックで、現在でも多くのメジャーアーティストのライブ・ツアーに参加しています。

Q1

上原:昨日は出張だったのですよね?

ジェレミー:昨日はフロリダでMUSEのライブありました。こっちにはついさっき戻ってきました。いつもは昼過ぎの便を取ってもらうのですが、今日はなぜだか朝の便で。昨日のショーが終わってホテルに戻ったのが夜中の2時で、3時間だけの睡眠で空港に行かないといけない。本当は、ちゃんと睡眠をとって、フレッシュになって空港行きたいのですが。

上原:(先日MDCに届いたQ Drumスネア8台について)サンプルをありがとうございました。どれもとても好評です。7インチのジェントルマンズシリーズは最高です。

ジェレミー:無事に日本に届いたんだね。オーイェー!

上原:アルミのジェントルマンは、皆が絶賛しています。

マックス:あれはいい音がするよね。

ジェレミー:今参加しているツアーでもジェントルマンを使ってます。毎日3回のショーです。
あの7インチはすごい良いです。日本のアーティストにも受け入れられそうですか?

上原:日本でもとても良さそうですよ。

ジェレミー:オーライ!それは良かった。

上原:特にジェントルマンズシリーズは日本で受けると思います。
あとフラット・マット・ブラックのカバリングのスネアも良かった。8プライでしたっけ。

マックス:10プライだね。

ジェレミー:やっぱり!フラット・ブラックのラミネートでしょ。ほら、僕が前から言ってたでしょ。あれはきっと受けるって。

マックス:あまりにもシンプルだから、皆は気に留めないんだけど、音がすごく良いんだ。

ジェレミー:フラット・ブラックの色もアメージングだよ。で、他にグリーン、ブルー、それとスカイブルーも送ったよね。

上原:アボカド・グリーンでしょ。

マックス:(笑)そうそう、アボカドよ。うちのショップにあったセットは見た?あのセットは全部アボカド・グリーンよ。

ジェレミー:あれは良いよね。

マックス:イェー、あれはすごく良いよ。訪れる人、皆が気にいるよ。

上原:ブルーは何て言ったっけ?

ジェレミー:フラット・ブルー。

マックス:え、そんな名前だったっけ?

ジェレミー:ウーーム、どうだったっけ。まあ、フラット・ブルーでわかるよ。正式には確かトゥルー・ブルーとか呼ぶと思うけど。で、その他は、ヴィンテージ・スカイブルー・パールがあったね。

上原:日本ではヴィンテージ・スカイブルー・パールはとても人気のある色です。

ジェレミー:あと13”も送ったよね。

上原:そう13”は個人的には一番好きです。

ジェレミー:マジで!?それはサイズが好きなんですか?

マックス:よくわかるよ。スペシャリティなスネアとして、持っておきたい人は多いと思う。

上原:そうですね、サイドスネアとかね。

マックス:そうそう、サイドスネア。

ジェレミー:次に是非お届けしたいのは、ジェントルマンズのコッパーだね。もしアルミニウムが気に入ったのならば、コッパーはさらにすごいよ。(ジェレミーとマックスが頷きながら)

上原:(笑)二人とも頷きながら言うんだから、さぞ良いんでしょうね。今回受け取った中にはブラスのスネアもありました。

ジェレミー:ブラス・プレートだね。

マックス:とても重いスネアだ。

ジェレミー:(笑)ロックやる人にはパーフェクトなスネアだね。

上原:日本のリハーサルスタジオにQ Drumがあるといいと思ってます。ドラマーに試してもらえる。

(ウェイターにバーガーを注文。ジェレミーにミディアムレアでチェダーチーズ入れるのをオススメされる)

Q3

ジェレミー:イラン・ルービン(ナインインチネイル)のセットとかどうだろう。イランがツアーで日本に行く時に、プロモーションの写真会とかサイン会とかしてもいいよね。

上原:ドラムクリニックをやるとか、どうですか?

ジェレミー:ウーーム、クリニックはドラマーによるんだよね。僕はイランにクリニックをやってもらいたくて、何度か話をしたことがあるんだけど。彼はやる気はあるんだけど、クリニックっぽいクリニックにしたくない、というか、苦手というか。どうやったら、自分でも可能なクリニックができるか、今考えているところです。パラディドルとか楽譜に書いてあることを教えるクリニックよりも、もっと楽しい方法はないかなーって考えている。もっとクリエイティブで、固くない感じ。まだアイデアはないんだけど、今考え中です。でも他のドラマーなら、できる人はいるよ。クリニックって本当にドラマーによりけりだね。Q Drumのアーティストって、クリニックするようなタイプでないドラマーが結構いるんです。パンクロッカーとかロッカーは、そういう感じじゃないのはわかるよね。

マックス:そう、クリニックって聞いたら怖がるんだよね。これまでのクリニックって、構成がちゃんとしていて、技術的な内容が多かったから。最近のドラマーって、持ってる技術も変わってきているからね。

ジェレミー:どれだけのロックドラマーがドラムを学校で勉強したかといえば疑問でしょ。彼らにしたら、ただ仲間とバンド組んでロックをやってきただけだからね。でも、そういうことが得意なドラマーももちろんいる。

上原:お酒とか好きかな?教えるクリニックというより、例えばドラムパーティをするとか。

ジェレミー:その考えはいいね。日本の焼き鳥とか!(バン!とテーブルを打って)それだったらうちのドラマーも間違い無く乗ってくるね!

上原:Q Drum パーティだね。

ジェレミー:ってことは俺たちも絶対参加しないと。マイルが溜まってるから行けるよ!やるとしたら、どこでやるかアイデアはある?

上原:大阪だったら地元だから候補地はあるかな。

ジェレミー:大阪はデンジャラスだ。

上原:大阪が危ないって?

ジェレミー:そう。とても危ない。ROCK ROCK BARとか。

上原:イェー!この前行ったところです。素晴らしいお店でしたよ!

ジェレミー:あそこのオーナーのXXXを知ってるんだ。大阪に行くたびに、あそこに立ち寄るんだけど、どの夜のことも、全く覚えていない。

上原:外国のミュージシャンが寄るところだよね。

ジェレミー:外人だけじゃないよ。

上原:じゃあ、ROCK ROCKでQ Drumパーティしようよ。

ジェレミー:これは面白くなりそうだ。パーティして、みんなでドラム談義して、ドラムのショーケースもやって、みんなが座って講義を聞くよりも、実際にドラムを叩ける方がいいよ。イランがいたらきっとファンも喜ぶだろうし。それだったらイランも興味あるかと思う。イランはクリニックっぽいのが嫌いなんだ。もちろん彼はクリニックで紹介する腕はあるんだけど、彼は面白くないと思っているんだ。好きな人もいるけど、彼は好きじゃない。だから、もしクリニックをやったとしても、彼は100%本気を出さないと思う。もっとファンと関わり合いの持てる企画だったら、彼もやる気になると思うよ。

上原:日本のロックドラマーも、クリニックはあまり好きじゃない人が多いです。だからクリニックよりも、マイナスワンのようなことをやる。

マックス:ショーケースだね。

ジェレミー:カラオケドラムのような感じだね。イェー!

上原:イランが演奏して、集まったファンの中からガッツのある人がプレイして。

マックス:おー、それはクールだね。

ジェレミー:そうだよ、ドラムの勉強というより、Q Drumを試してもらうための会だからね。

上原・マックス・ジェレミー:是非そうしましょう!(前菜のバッファロー・チキンが登場)

上原:(驚嘆)うまい!

ジェレミー:名古屋だったっけ?チキンウィングが有名だよね。

上原:名古屋ですね。

ジェレミー:とてもうまいよね。ここのチキンウィングも美味いでしょう。フレンチ・レッド・ホット・ソースだよ。

上原:これはうまい。フレーバーがとてもいい。ルービンさん以外にはどう言ったアーティストと繋がっていますか?

ジェレミー:たくさんいるよ。ジョーイ・カスティヨ(TRASH TALK / BL’AST / ZANK SABBATH等)はとてもいいよ。日本でも演奏する機会が多いと思う。彼は日本のスターと一緒に演奏しているよ。日本のアーティストがアメリカのミュージシャンと演奏することがあるよね。

上原:そう言ったドラマーはどうやって知り合うのですか?立ち上げ前からの知り合いだったり?

ジェレミー:うちのドラマーのほとんどは、僕が一緒に仕事(ドラムテク)をしたことがあるか、もしくはうちのドラマーと友達になったドラマーがQ Drumのことを知るようになる。ライブでQ Drumの音を聞いて、気に入ってくれて、友達が紹介してくれるパターンですね。

マックス:ミュージシャンたちが一緒にツアーに行く時、毎晩のように他のドラマーの音を聞くわけだよね。ツアーでも一緒にしない限りは、他のドラマーの生音を聞く機会もないのだけど、現場で実際に音を聞くと「わお、俺もこのサウンドが気に入ったよ」って。そうやってドラマーたちって新しいドラムの情報なんかも入ってくる。

Q2

上原:いつ会社が始まったのですか?

ジェレミー:会社を始めたのは、2010年の10月です。ことの発端は、ケイティ・ペリーのツアーで、ドラマーのアダム・マルセロに同行していました。ところで、アダム・マルセロはクリニックをやるのにとても向いているタイプです。その時アダムは他のメーカーのドラムを使っていたんだけど、彼が使っていたのはアクリルのドラムで、電飾のライトが光るようになっていた。ショーのためにね。そのライティングとかマイクのワイヤリングがひどい状態で、全てのワイヤリングをやり変えすることになったんです。

上原:ワイヤーが絡まっていたんですか?

ジェレミー:ひどかった。説明しようのないくらい、全てが無茶苦茶でした。使われるべきケーブルの種類が間違っていたり、コネクターがXLRの代わりに違うエンドピンだったり、とにかくひどかった。そんな中、ツアーではLEAP FROGということをやるんです。次の会場が遠い場合に、全く同じセットをもう一台準備して、前もって次の会場に送っておく必要がある。アダムが「じゃあ彼ら(メーカー)に連絡して、もう一台全く同じものを作ってもらうよ」っていうから、僕は「頼むからやめて」と言ったんです。またあのひどい作業をするのはごめんだったんです。アダムには、それまでに僕がオレンジカウンティでドラムを作っていたことも話をしていたので「僕がドラムを作ってみるから」と提案して、僕がドラムセットを一台作ったんです。もちろんブランド名もないし、何もない。でもドラムは今のスタイルと同じスタイルで完成しました。ラグも一緒だし、すべて一緒です。彼のスペックに合わせて作った。彼が出来上がったセットを試した時、彼はとても興奮して喜んでくれました。「ジェレミー、自分の会社をやるべきだ。俺が一番目のエンドースアーティストになるよ」ってね。でも僕は興味はなかった。それから6−8ヶ月間、全く自分ではその気がなかったんだけど、いろんな人が同じことを提案してきてくれて、2010年についに決めたんです。

上原:そのアクリルドラムが一番最初のQ Drumですね。

ジェレミー:そうです。会社を起こして、シリアル番号の入ったバッジを作った時に、最初のバッジをそのドラムにつけました。番号は1から10。10ピースセットだからね。

上原:そのセットはまだありますか?

ジェレミー:うちのショップに置いてある。

Q5

(バーガーが到着。皆でバーガーを喰らう)

上原:そうやって始まったんですね。Q Drumの名前はどうやって決めたのですか?元からあった名前ですか?

ジェレミー:いや、結構時間がかかった。たくさんの候補があったけど、どれもピンとこない。

上原:例えばどんな名前があったのですか?オフレコにしたほうが良いですか?

ジェレミー:いや、気にしないよ。例えば、110 (ワンテン)とか。

上原:近所のフリーウェイの名前ですね?

ジェレミー:そう。あと、Standard Drum Company スタンダード・ドラム・カンパニー。僕の父が提案してくれたんです。父に自分が始めたいことを話ししたら「スタンダードだね、何も特別なことをするわけでもないし。でもスタンダードを築く、という大切な意味だよ」というけど、僕にとってはやっぱり「ただのスタンダードドラム(標準的なドラム)にしか聞こえないな」っていうと「このアースホールが」って言われて。その他もいろいろ出てきたけど、結局はクオリティの高いドラムを作りたい、という主旨から今の名前がついたんです。

上原:おー、ということは「Q」はクオリティですね。

ジェレミー:Yep

上原:多分「Q」がクオリティの「Q」だとは誰も知らないですよね。アメリカのドラマーは皆知ってますか?

ジェレミー:いや、いないね。せいぜい2人くらい。でも別に内緒にしているわけではなく、聞かれたら普通に答えますよ。

上原:材料の話しがしたいのですけど、メタルはどういった素材がありますか?
アルミ、ブラス、スチール、の他はありますか?

マックス:コッパーと、

ジェレミー:ガルバナイズド・スチール (Gulvenized Steel)

上原:ブロンズ、チタニウム?

ジェレミー:チタニウムはDunnetが専門だね。彼が専門でやればいいと思ってます。2004年、以前いた会社にサミー・ジェイワトソンがDunnetのチタニウム・スネアを持ってきました。そのスネアは4度も使えばエッジからヘッドが割れるという問題があったのと、音色もサミーが気に入らない音色だった。それでサミーは僕とマックスに相談に来たんです。「僕らの思うように自由に改良していいのなら、やってみるよ」と言って、まずは10プライのメープルでリインフォースメントリングをはめ込んだ。それでヘッドがチタニウムに直接当たるのを防いで、ウッドのエッジに乗っかるようにしたんです。その結果、分厚いエッジがスネアの音色を暖かくして、いい音になった。スネアベッドもなかったので、それも加工した。あと、Dunnetがエアベントが嫌いなので、ドラムに穴がなかった。僕たちはエアベントを入れました。それをサミーに渡したら、サミーはその仕上がりに驚いてくれた。とてもいい音がした。その時の経験から、ブラックビューティのスネアドラムのエッジにリインフォースメントを入れ始めたんです。その方向でいろいろ研究が始まりました。それがうちのメタルシェルにウッドのリインフォースメントを入れるスタイルの始まりです。

マックス:あのときのこと覚えてるよ。最初にあのドラムが来たときのサウンドはシ◯トだったね。まるでカーボンで出来たボックスを叩いてるような音だった。

ジェレミー:そう。で、リインフォース入れたら全く変わった。多分君だったと思うけど「エアベント入れたほうがいいよ」って言って。

上原:メタルシェルにリインフォースメントを入れるのは、ヘッドを守るのが理由ですか?

マックス:たくさんの理由があります。一つは、そう、ヘッドを守ること。それと、ちゃんと音のために設計されたエッジを設定できるし、ヘッドが本当に平らに設置できる。シェルを補強することで、シェルがより硬くなり、ちゃんとした丸に固定できる。それに、音色がとても温かくなる。マテリアルがドラムの音色に大きく影響するのは明らかだね。

上原:ウッドシェルはケラーから仕入れていますか?

ジェレミー:そうです。ケラーから仕入れています。ケラーとは本当に長い間付き合っています。

上原:エッジはQ Drumで加工しているのですね。

ジェレミー:そうです。エッジはうちでやっていますね。それとリインフォースメントを入れてます。他のメーカーとうちのウッドシェルドラムの大きな違いは、うちのは内側もフィニッシュ加工しています。そうすることで、明らかに出力がアップするのです。ボリュームが上がる。

上原:ブラスの3mmのスネアは、平のプレートを曲げて作っているのですか?

ジェレミー:オーイェー!マックスの太い腕を見ればわかるでしょ。(マックスが腕をめくって披露)

上原:力ずくで丸めるの?

マックス:たまに2枚一緒に丸めるよ。ガオー!

ジェレミー:イヤイヤ、メタルローラーで丸めてるよ。

上原:ドラムセットも丸めてるのですか?バスドラなんかも?

マックス:イェー!メタルのドラムは全てうちで丸めてる。2人がかりです。一人がメタルを支えて、もう一人が機械を動かす。

ジェレミー:ベードラとタムはスネアに比べたら薄いシェルを使います。だから丸めた後にリインフォースメントを入れることで、構造的に強くすることと、俺たちの求める音色が出せる。それがメタルだけだと、俺たちの理想の音は出ない。

上原:プライスリストに載っていないシェルのリクエストがあった場合、作ってもらえますか?例えば20プライで大きな穴の空いたスネアは作りますか?

ジェレミー:NOですね。うちのブランドで今やっていることは、ちゃんと理由があってやっています。求めているサウンドがあります。ルックスのインパクトを求めることはしません。もちろんヘビープライのスネアドラムやヴィンテージのドラムも音の特色があります。僕たちにとっては、多様性を持つことが大切です。ほとんどのドラマーはスネアを何十台も持っていませんし、セットも複数持つということはありません。ということは、自分の武器が色んな現場で役に立つことが求められます。色んな現場で機能を果たすドラムを目指しています。20プライにしなくとも、音が大きくて、歯切れの良いスネアは作れます。スネアベッドは、私たちが以前から培ってきた製法です。メーカーによっては、そのスネアベッドをカーブにしています。スネアワイヤは平らなので、ベッドがカーブしていると、ワイヤが変形することになり、座りが悪くなります。うちではスネアベッドをフラットにしています。ラグのくる位置からフラットにして、そこにランプを入れることで、そのあたりからヘッドがちゃんとテンションするように作られています。そのスネアワイヤに近いところのラグを調整することで、スネアをルーズにしたりクリスプにしたりが可能です。

上原:サウンド面で力を入れていることは何でしょうか。ここが命ということはありますか?

ジェレミー:それはトリッキーな質問ですね。それは本当にアーティスト次第なんです。私が好きな音色はわかります。私はコントロールされたドラムサウンドが好きです。あやふやなトーンではない、はっきりと音色が伝わるドラムです。コントロールされたドラムというと(テーブルを叩いて)こんな感じの音です。これではデッドで音色がありません。僕の言うコントロールされているドラムサウンドとは、サステインが長すぎず、でもちゃんと音色があるサウンドです。タムを叩いて、ドゥーンとまっすぐな音色で、不必要な音色が混ざらない。スネアドラムは全く違う怪物です。曲のムードによる。だからクライアントが求めているものを提供しようと試みます。ドラムサウンドに変化を持たせる要素はたくさんあります。ヘッドはもちろん、どんなミュートを使うかによって全く変わるし、どう叩くか、叩く人によっても全然音が違います。私たちが目指すゴールは、誰であろうと、どのスタイルの音楽であっても、気持ち良く演奏ができることだと思うんです。ジャスレコードでもロックレコードでも、ポップレコードでも。ちょっとした工夫を加えることで、どのスタイルにも使えるドラム、それがゴールです。僕たちはREMOヘッドしか使いません。それがベストだと思っています。僕たちの作るドラムは、あのヘッドが合うんです。アンバサダー、CSドッツ、エンペラー。ピンストライプはあまり使用したことがないけど、その3種類があれば他は必要ないと思う。コーテッドかクリア、両方いけます。

上原:Q Drumは出荷にはCSコーテッドが付いていますが、それはサウンド的に選ばれているのですか。

ジェレミー:そうです。出荷するドラム全てにCSドッツを使っています。アンバサダーよりもそっちです。コントロールがいい。サステインがあり過ぎないし、そういう意味ではベストのヘッドだと思います。長年ドラムテクをやっていて分かるのは、サウンドエンジニアが求めるのはコントロールされたサステインなのです。ドラマーはいつも自分のドラムが大きくサステインしてほしい。でもミキシングしないといけないエンジニアにとっては、サステインは全く必要がない。ただアタックが必要なだけで、あとはリヴァーブを足したりして、彼らが音を作り上げる。その方が均一性がある。ドラマーやドラムテクが音を変えると「今日は昨日と全く音が違うじゃないか」ということが起こる。アタックさえ拾えれば、残りの音作りはエンジニアが行う。それって僕は嫌だし、ドラマーも嫌がる。でも現実です。だから僕たちのゴールは、サステインがありすぎず、現場で有効な、エンジニアが作りやすい音も考えている。実はその方がパワーも出せるし、皆の仕事が早いし、ドラマーも生ドラムを叩いている感触を得られる。フロントエンジニアも「おー、完璧な音がもらえてるから、こちらは何もしなくていいね」となる。CSドッツは、まさにそれを実現してくれる。スタイルによってはクリア・エンペラーとかクリア・アンバサダー、コーテッドがいいとか、いろいろ出てくると思うけど。それらは、CSドッツよりかはオーバートーンがある。ダイキャストフープをつけることでも対策になる。

上原:特にオーバートーンについてこだわっているようですね。

ジェレミー:その通りです。そこが大切です。ドラムがオーバートーンし過ぎるのは問題です。フレンチフライに塩をかけ過ぎないようにしています。多ければいいというものではなく、適量が大切です。

上原:ドラムテックの経験が活きているのですね。経験に基づいて、目指すサウンドを作っているのがよくわかります。

Q6

ジェレミー:ビールは気に入った?このレストランはお気に入りで、ランチミーティングでは必ず使う店なんです。

上原:もちろんです。めちゃ美味かったです。ビールも最高でした。この近所のリテイルショップにQ Drumが移転する話、とても楽しみにしています。

ジェレミー:マックスとこのあたりを歩くたびにその話をしています。

上原:かっこいい店になりそうですね。

ジェレミー:ジェントルマンズシリーズの5.5”を作る話ですが、日本のマーケットの感触として、ジェントルマンの5.5”はいいと思いますか?僕が日本のショップに行くたびに思うのが、90%以上のスネアドラムがピッコロサイズだと感じる。4″から5.5”くらいのサイズが多いですよね。それがスタンダードのようです。7”は僕たちの鉄板サイズなんだけど、5.5”もやるべきかと考えています。

上原:おそらく日本ではジェントルマンの5.5”があると人気が出ると思いますが、アメリカでは人気がないのですか?

ジェレミー:最近はなんとも言えなくなってきた。2年前ならば、5.5”はアメリカではNOだった。でも最近は5.5”サイズに戻りつつあるように思う。5×14のAcroliteとかに戻りつつある。だからアメリカでもいけるかもしれない。

(ここでお店を後にします。)

Q DRUM CO.とは?

カリフォルニア集ロサンゼルスに本拠を置くカスタムショップのドラムブランドです。元OCDP(オレンジカウンティードラム&パーカッション)の従業員だった、Jeremy Bermanはショップ、スタジオ、ステージで15年以上の経験を積み、真の職人技を持っています。
最新の技術と現代的で独創的な組立技法や材料を組み合わせることにより、最高級のドラムを製作。また常時、ユーザーの思い通りの自由なドラムを高品質で作り上げることができるブランドです。
海外では、以前 Fujiロックフェスのトリを飾った、Nine Inch NailsのドラマーIlan Rubin、MUSEのドラマーDominic HowardがQ-DRUMを使用。日本国内では、夏フェスでは大人気のキュウソネコカミのドラマー十河氏がセットを使用中。
海外ではロックドラマー中心にある程度の知名度はございますが、国内ではこれから存分に可能性のあるドラムブランドです。
ドラムシェルの材も、メイプル、マホガニー、中心に様々な材で製造可能。メタルシェルも、アルミ、スティール、ブラス、コパー他数々の材からお選び頂けます。また金属シェル表面に加工する技術もありより洗練されたオンリーワンのドラムを作り上げることができます。
Q7

問い合わせ先

 東京
イケベ楽器店ドラムステーション秋葉原:03-5825-6969
イケベ楽器店ドラムステーション渋谷:03–5428-0069

大阪
イケベ楽器店ドラムステーション大阪プレミアム:06-6210-3969
ドラムショップACT:06-6771-5231
MIKI DRUM CENTER:06-6343-1455

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About the author

MIKI DRUM CENTER 店長 上原 貴生 高校1年生の1980年代バンドブームの時、ドラムセットに魅了されドラムをはじめる。 その後、大学進学後もオリジナルバンドを中心にFUNK MUSICに傾倒。 ドラム、音楽をきっかけに、人と知り合い、音楽について熱く語りあうことが好きで、三木楽器に入社。 2009年より、大阪梅田にドラム・打楽器専門店MIKI DRUM CENERTオープン。 現在も、千里モータウンのドラマーとしてプレイ。

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