恒正彦のライブは、見るというより目撃者といっていいだろう。
3月20日にO-NESTで行われた恒正彦のライブにいってきた。
3人の伝説的ドラマー、
恒岡章(Hi-STANDARD, CUBISMO GRAFICO FIVE)、
村上正人(HELLBENT,ASSFORT,R)、
HIKO(GAUZE)が一堂に会し、三つ巴で一斉にドラムを叩く!
言ってしまえばただそれだけ。
しかし!
それはすなわちドラマーの限界、
音楽の限界に挑む意欲的なセッションであるということだ。
観客は聴く、見るというより目撃者といっていいだろう。
異様な沈黙が支配する、インスタレーション作品のような雰囲気をたたえた会場。
3台のドラムセットには時間を合わせた時計が置かれている。
3人がセットに着き、その時間がきた!
一斉に鳴り響くリズム、ビート、パルス!
それまでの空気を一変させる打撃音の波状攻撃!
いきなりの轟音、ただしそれは真に音楽である事を五感で、
全身で感じさせてくれる。
三者の波動がひとつの大きなうねりを生み出す。
35分間の演奏の中で、
身体の限界の瀬戸際に立つ様を何度も目の当たりにした。
陶酔的なグルーヴが聴衆を包み込む。
それは祝祭的でもあり、魔術的でもあった。
頭や口先だけの音楽ではない。
まさに生命の躍動そのものだった。
サウンドスタジオノア田園調布店店長。 好きなドラマーはジョン・ボーナム、チャーリー・ワッツ、トニー・ウィリアムス、川西幸一さん。 中学生のころ、ローリング・ストーンズ初来日公演をテレビで見て、 一番おじいちゃんに見えたチャーリー・ワッツに衝撃を受けてドラムを始める。 その後、ユニコーンのコピーバンドで「大迷惑」が叩けず、バンド内人事異動でギターに転向。 以降、ドラムとは愛憎関係が続いている。 ドラムがカッコよければ、どんなバンドもカッコいいという乱暴な考えを持つ。