新潟にサカエドラムの風が吹いた
4649drumをご覧のみなさま、こんにちわ!サイトマスターのイナイです。
前回大阪で開かれたfeel the SAKAE!大好評のうちに幕を閉じましたがなんと新潟で再び行われると聞き、またまた取材に行かせていただきました。
今回筆者は前日に右足首をパキッと捻挫(後日骨折と判明)するというアクシデントにみまわれ当日はまわりの皆様に多大なご迷惑をかけながらの取材となりましたが今回も参加者と出演アーティストの皆さんにお話聞けたのでお伝えしたいと思います!
今年はまだ後3回もあるので行ったことのない方は是非一度足を運んで欲しいです。
会場前
今回会場となったのは新潟ユニゾンプラザhttps://www.unisonplaza.jp/
のどかな風景のなかにたたずむ市民ホール、当日はぬけるような青空の下爽やかな風が吹いていた。
リハーサルは到着したアーティスト順に行われていた。MASUO氏が全体のドラムセットのチューニングを行っており各アーティストは曲を演奏しながら音割れやイヤモニのバランス、ドラムセットの細かい調整などを行っていた。
この日は前回出演のMASUO氏、真太郎氏、feel the SAKAE初参加となるArimatsu氏。
司会としてアニキことToyoaki Nagai氏の4名のアーティストとサカエドラムのデザイナー辻俊作氏で行われた。
会場には前回同様に4台のドラムセットが設置されており、フラッグシップとなるセレッシャルは大喜多氏のセミナーでも使用されているツーバスの豪華なセッティング。相変わらずドラマーならそれだけでたまらない空間。ドラマーでなくともしっかりと作り込まれた製品がもつ美しさというものが感じられる空間であった。
14時開演!
お客さんはまずまずの入りといったところ。座っても良いし前の方で見るも良し皆さん思い思いのスタイルで鑑賞されていました。
ホールの袖からピンスポットライトに照らされ、本日の司会の方が登場。この方もサカエのドラマーで司会は初とのこと。しかしそこはさすが大阪人。微塵も感じさせない軽快なトークで会場を盛り上げていました!
Arimatsu氏の演奏がスタート!
司会の方に迎えられArimatsu氏(VAMPS / 特撮)の演奏がスタート!VAMPS、OBLIVION DUSTの曲から3曲をプレイ。8ビートを叩く姿は風格ありまくり!ドラムのダイナミクスを全開に活かし切る迫力の演奏。世界を相手にROCKするドラミングをこの距離で観れるのは幸せと言えるだろう!
ステージのバックドロップ《ドラムセット後ろに張られる大きな幕》には演奏中のアーティストの足元や手元が映され細かな動きなども見ることができた。
あっという間に演奏は終了!楽しい時間は過ぎるのが早い!
続いてMASUO氏の演奏がスタート!
次はMASUO氏!feel the SAKAEで拝見するのは二度目だが今回も楽しみ!
前回のインタビューで聞いていた真っ黒のドラムセット!つや消しの黒がむちゃくちゃかっこいい!
BACK DROP BOMBの曲から4曲プレイ。のちのトークセッションで「パンクスだからツーバスはやらない」とおっしゃってましたが、、ワンバスにも関わらずすごいプレイの連続。
16分の細かいタム回しの隙間にバスが入ったり、ギターリフの頭と合わせて刻んだりバラエティー豊かなフレーズを抜群の安定感で叩き込んでいく。この日のステージアーティストの足元は奇しくもみなコンバース。ソールの感じがドラマーには良いようです。
サカエドラムセット解説
MASUO氏の演奏終了後、司会のアニキことToyoaki Nagai氏(THE→CHINA WIFE MOTORS)とサカエの辻氏によるドラムセットの解説紹介が始まった。この日設置されていたのはThe Almighty Birch(オールマイティ バーチ)、The Almighty Maple(オールマイティ メイプル),Trilogy(トリロジー),Celestial(セレッシャル)の4台でそれぞれ詳しく解説していた。
写真中央 左から アニキことToyoaki Nagai氏とサカエドラムの辻俊作氏
The Almghtyは正にその名の通りジャンルを選ばないオールマイティなセット。明るめのメイプル材と少し低めの音のでるバーチ《樺材》の二つのキャラクターを用意。
音を確かめるようにアニキ氏がデモ演奏。辻氏の ジャズっぽいプレイからのロック など無茶振りにもしっかりと対応、ドラムセットの鳴りを余す所なく伝えていく。
辻氏曰く、基本的な考え方として後から鳴るようにするのは難しいので、まずは十分に鳴るドラムセットを作り、それをプレイヤーがコントロールしやすいように味付けしているとのこと。
この日用意されたセットにはバスドラのミュートなどは一切なし。にもかかわらず広がりがありつつ低い音の輪郭がなくなったりしないサカエドラムならではの芯のある音が聞こえていた。
ヴィンテージの復刻版とも言えるTrilogyはドラムシェルをあまり重ねることができなかった昔の作り方まで再現。アニキ氏はツェッペリン風のワイルドなドラムプレイとビッグバンド風のプレイでセットの音を紹介。ばっちり雰囲気がでていた。カラーリングも美しくカフェなどに置いても十分絵になる仕上がり。
そしてフラッグシップのセレッシャルは辻氏自らタムを叩き美しい響きを紹介。小さなタム、大きなタム、1番大きなバスドラ、それぞれに最適なシェルの厚みやヘッド(皮)が接するエッヂの処理を施して全ての太鼓がそれぞれの個性を最大限に発揮できるように作られているとのこと。
簡単に聞こえるが普通のものより何倍もの手間暇がかかる。それだけに音も強烈である。この日のホールは500人は入ろうかというクラスであったが余裕でまかなえるのではという音量で、なおかつ小口径のタムもしっかりとキャラクターをもちながら大きな音で聞こえるのだ。いいものはそれなりのお値段もするようだが是非一度体感していただきたい。
出演アーティストによるトークセッション
ここで参加アーティストと辻氏によるトークセッションが開かれた。リラックスした空気の中でメーカーとアーティストと会場のお客さんが膝を付き合わせるこの光景もfeel the SAKAEならではといえよう。
司会アニキ氏――「では、ベタなんですけど。それぞれサカエドラムとの出会いを教えていただけますか?まずはArimatsuさんどうでしょうか?」
Arimatsu「レコーディングの音決めの時にMASUOくんがドラムセットを持ってきてくれて、色々試していくうちに、いいじゃないかサカエドラム!となって。じゃあライブでも使えばいいじゃないかとトントン拍子に辻さんに電話してすぐ欲しいとなりましたね。それがかれこれ4年くらい前ですね。」
司会――「印象はどうでしたか?」
Arimatsu「最初に使ったのがレコーディングからだったこともあって、明確に音のトーンや鳴りがわかったんでそういう面で良かったんだなと。」
司会――「なるほど。では順番に聞いていきます。MASUOさんはいかがですか?」
MASUO「あ、たまたま。」
司会――「たまたま笑ですか?」
辻「出会い頭にぶつかったくらいたまたま。」
MASUO「そとでタバコ吸ってたらたまたまこの人と会って。」
辻「両方違う人に会う予定だったので。」
司会――「縁、ですね。。以上ですか?」
MASUO「そこで、ドラム作ってるって聞いたから2回目に会った時は車で大阪まで行ってドラムを見せてもらった。サカエドラムはまだドラムセットを作り始める前くらいで、スネアは作ってたけど。それで共通の知り合いに大阪でええスネア作ってる所あるで、と紹介されて行ったら、ドラムセットも作るよ、となりそれから使い始めてる感じですね。」
司会――「なるほど、では真太郎くんは?」
真太郎「5、6年前にBIGMAMAのリアドくんが使ってたドラムセットをMASUOさんから借りて使ったのが初めですね。で、すごく良かったのでこのセット欲しいとMASUOさんに言ったんですが、それは返してほしいと言われまして。えー何で?とか思ったんですが、結局辻さんから別のセットを貰ってそれもすごい良かったです。去年初めてBIGMAMAと対バンした時にリアドくんにすごい謝られた笑。彼は全然悪いことしてないのに。」
司会――出会いだけでも色々あるけど、みんな辻さんに会ってからって言うことやね。
真太郎「MASUOさんを介してもSAKAEドラムを使うようになった人は多いですね。」
辻「しっかりしたドラマーやバンドをサポートしたほうが確実に伝わっていくからね。」
司会――常に人のライブを見に行ったりしてこいつサポートしたいなって人がいいということですよね。
真太郎「だからたまにドラムセット返してって言われるとドキドキする。もっといいのをくれるということで今使ってるのを返してっていうことですけど。あれ、俺下手くそになったんかなあ?とか思って笑」
辻「笑、それは俺の優しさや。置き場所も大変やん?5セットも6セットもあっても置くとこないから、新しいの送るから返してっていうだけ。お前がドキドキするかどうかは知らん。」
司会――では、ここからはお客さんからの質問タイムにしましょうか?何かご質問ある方。
女性のお客様――持っているドラムセットの数を教えて下さい。
Arimatsu「日本では3セット、あとアメリカにも1セット置いてます。」
司会――地球に4セットあるわけですね笑。ちなみに全部サカエですか?
Arimatsu「一つだけ、DW社のやつだけどあとはサカエですね。家にはおいてなくて倉庫とかにおいてますね。」
MASUO「俺は7セットあるね。」
司会――それが大豪邸においてあるわけですね?
MASUO「いや、ちょっとした家だけど綺麗に積めば6畳くらいの部屋に入るよ。奥のほうのは取り出すのは大変だけど」
司会――真太郎くんは?
真太郎「正直把握してないですね。MASUOさんに把握してもらってるんですが、多分5セットか6セットだと。使ってないのもありますね。」
司会――なるほどでは次の質問ある方。
女性のお客様――ドラムを初めて最初にコピーした曲は何ですか?アニキさんも教えて下さい。
司会――僕ですか?うーんBOOWYのDreaminですね。あとはLOUDNESSかな。真太郎くんは?
真太郎「僕は、、確か文化祭でTHE YELLOW MONKEYの花吹雪やったかな。アルバムに入ってる曲をやりました。あとはLArc-en-Cielの曲とかですね。 」
MASUO「俺は、みんな絶対知らないと思うけど鉄アレイってバンドのNo Machine Troubleっていう曲だね。」
司会――前回feel the SAKAEの質問の時も鉄アレイっておっしゃってましたね。分かる人おるんかな?と思ってましたけど。
MASUO「みんな知らないと思うけど、ぜひ聞いてみてください。」
司会――鉄アレイですね。では、Arimatsuさんいかがでしょうか?
Arimatsu「俺は、ケニーロギンスのフットルースって曲だね。映画で有名になったやつね。コピーって言うよりはドラムをやり始める前にその曲を知ってて大好きでね、中学校くらいかな。でドラムをたまたま叩く機会があってその時に(フットルースのフレーズ)をやってみたら、ギターのやつがその曲のリフを合わせて弾いてくれて、これはおもしろい!ってなった笑」
司会――それまで触ったことなくていきなりやったんですか?
Arimatsu「ドッタ、ドッドタッ。みたいな単純なやつだったけどね。そこからハイハットを入れたりとか最初は難しいなって。そういう感覚はいまでも覚えてますね。」
司会――これからドラムを頑張ろうっていう若い子にもちょっときっかけになりますね。みんなもそう思ってると思うけどドラムってカッコイイと思うんですね。楽器としてかっこよくてワイルドで。そういう感じで最初は初めて行って欲しいですね。では何か他のご質問ある方。
男性のお客様――一番練習してた時期に、どれ位、どんな練習をしていましたか?
司会――真面目やねー。皆さん今まで練習ってどうされてましたか?
真太郎「してこなかったですねー。どっちかというと今が一番してますね。今年は本当に練習しようと思って。基礎的なシングルストローク、パラディドルとか。ツアー中のホテルで練習パッドとかで。それができたからっていってもドラム叩けるわけではないじゃないですか?でも安定感とか自分の安心感とかが出てくるので」
司会――練習してるイメージなかったから意外やな。
真太郎「まだ3回くらいしかやってないですけど笑。ツアーで持ち歩くかばんの中にスティックを入れたの初めてですよ。わ、俺ドラマーみたいて思って。」
司会――笑 良かったやん、やっと。これからもっと頑張ろうってなるよね。MASUOさんいかがですか?
MASUO「始めた頃に基礎はちょっとやった。チェンジアップってわかる?4分音符と8分音符と3連符とを同じテンポの中で叩く練習。あとはダブルストロークとパラディドル。それくらいしかやってない。あとは足を早く動かす練習とか。」
司会――2バス(バスドラムを2台用意して両足用のキックペダルで演奏すること)ですか?
MASUO「いや、俺はパンクスだから片足だよ。2バスはダメ。」
司会――ダメなことはないでしょう?
MASUO「いやダメだね。それでこの前この曲はパンクスにはできません。他の曲に変えてください。って言ってライブ断ったことあるもん。笑」
司会――カッコイイですね。
MASUO「できないだけだけどね笑。あとは、基礎の練習をしてみんなうまくなっていくけど、みんなと同じことをやってもダメだから筋トレするとか、朝練でキックボクシングとかやってるね。」
司会――それが最近の練習ですか?リングに上ってる写真とかブログとかで拝見しますけど。楽しそうなんで続けてください笑。
MASUO「そう、体幹が鍛えられる。左のシンバルがタイトになるよ。普段使わない筋肉使うからさ。要はドラム練習って(動かし方の)神経がつながってないところをトレーニングしてつなげてあげる作業だから、普段使わない筋肉をドラムじゃない動かし方で動かせるようになるともっと動くようになる。真面目でしょ?」
司会――なるほど、めっちゃ真面目ですね。
MASUO「だから最近はドラムの練習はしてない。左フックの練習してる。笑」
司会――笑 それがドラムにつながっていくということですね。
Arimatsu「左フックは効果あるよね。体幹がしっかりしてないとうまくできないし瞬発力も必要だし。」
真太郎「笑 でも、俺も素振りしてるんすよ。小さい頃から。それが良かったんかもしれん。」
司会――ああ、格闘技も野球もそうですけどやっぱり体動かしたほうがいいんですね。
MASUO「煮詰まると、離れたほうがいいよ、絶対。他のことやったほうがいい。」
中略
Arimatsu「ドラムやり始めの頃って特にそうだけど、練習してるっていう感覚はなくてひたすらがむしゃらに好きが講じてやってったという感じ。ある程度好きが長く続いたところで、(ドラムって)こういうものなんだってさっき真太郎くんが言ったみたいに色んな練習してみたりとなるよね。俺もそのタイプで色んなバンドをやってコピーをしていくうちに、こういうことをしないとこれって叩けないんだと思って、そのための練習に行き着くということはあった。そういう感じで練習はやっていけばいいんじゃないかな、なんて思いながら今も練習してます。はい。」
司会――パーフェクトな回答ですね。ドラムが楽しくて仕方なくて初期衝動のまま続けているという感じですね。辻さんなんかドラムのイベントっぽい感じになってきましたね。
辻「もともとドラムのイベントやで笑」
司会――最後もう一つ質問行きましょうか。ではそちらの男性の方。
男性のお客様――もし自分の今やっているバンドでドラマー目線でカバーしてみたい曲などありますか?
司会――ちょっとむずかしい質問ですね。MASUOさんありますか?
MASUO「俺は真太郎の曲はコピーしてるよ結構。難しいんだよ。どうやってやってる?とかよく質問する。バンドでやりたい曲っていうのは特にないかも。でも他の人、例えばヒロシくん(Arimatsu氏)も真太郎も見てていっぱいあるね。真太郎のはよく見てるけどまだ理解できていない。」
真太郎「僕は対バンとかするとUVERworldの曲をカバーして演奏してくれたりとかっていうのが面白かったので、そういうのはちょっとやってみたいですね。対バン相手の曲をコピーとか、カバーとかアレンジしてお客さんが喜んでくれるのももちろんですけど、相手のバンドも喜んでくれる。そういうのはやってみたいなと思いますね。」
司会――素敵やとおもいます。Arimatsuさんいかがですか?
Arimatsu「今思いつく曲っていうのはパッと浮かんでこなくて、ちょっと話が変わってしまうかもしれないけど。例えばVAMPSで、お祭り的なライブをやるときにはラルクのカバーをやったりするんだけど、いくらコピーをして、真似しようと思ってもyukihiroくんのドラムと俺のドラムは全然違うし、楽曲自体変わってしまうんじゃないのノリにはなるから、コピーとかカバーとかそういった面で面白いと思うよね。」
司会――参考になりましたでしょうか?そろそろ時間ですね。しゃべりすぎましたか。
真太郎「居心地良かったですね。」
司会――では真太郎くんステージお願いします。トークショーはこれで終了になります。
会場拍手
アーティスト演奏の最後は真太郎氏
この日はUVERworldの楽曲から新曲1曲を含む5曲をプレイ。
MASUO氏も絶賛するそのプレイは前回よりもさらに磨きがかかっていた。しかも今はUVERworldの結成15周年、デビュー10周年記念ツアーの真っ最中であり、一切の迷いなく叩ききる姿はそういった集中力の表れかもしれない。
そして今回もドラマーのお客さん限定でステージに上がって後ろから見れるように!もっと近づいてみてもええけど!と観客を促すなど、出し惜しみなしで楽しんでもらおうとする素晴らしい姿勢だった。後ろに回った観客は食い入るように演奏を見ていた。ドラマーにはやはり相当に参考になるようだ。
トークセッションもあったため曲間のMCは比較的少なくスムーズに曲を演奏していった。
最後はUVERworldの新曲を演奏、激しいプレイにも関わらず、一切のよどみなく一音一音の粒立ちが素晴らしくドラムプレイヤーならずともその演奏能力の高さを感じることができた。
プレゼントじゃんけん大会
演奏終了後、参加アーティストの使用した サイン入りのスネアドラムのヘッド(皮)のプレゼントが行われた。いずれも女性の方がゲット!アーティストの握手つきで直接手渡しされて喜びの表情が印象的でした。
最後はファンの皆さんと参加アーティスト、スタッフも集まり集合写真!feel the SAKAE の合言葉とともにみなさん満足気な表情で今回もとても良い雰囲気で幕をとじた。
参加者の声
東京からお越しの美女4人組に聞きました!なんと前回大阪で行われたfeel the SAKAEにも参加していて今回はリピート参戦とのこと!
――どのような経緯で今回参加されたのでしょうか?
「前回のfeel the SAKAEにたまたまこの4人でいきまして、それでサカエさんのホームページを見てまた行われるときいたので」
「ドラマーの人たちをあんなに近くで見れるなんてないよねって、楽しかったし、またやってくれないかなと思ってたんで」
――今回はどうでしたでしょうか?
「(写真一番右の方)今までずっとドラムやりたいなって思ってたんですけど、前回参加したあとにやりたいなーがやりたい!に変わってドラムを習い始めました。今回も真太郎さんのプレイを後ろから見させて頂いて、自分なりに吸収させてもらう部分があったかなと。貴重な経験を真太郎さん本当にありがとうございます。」
――サカエに対してこれから期待することとかありますか?
「素人ながらにもすごく音が心地良いなと思うので、これからもいっぱいそういう音を聞かせてほしいなとおもいます。」
「色んなアーティストさんをよんで、またこういうイベントをやってもらいたい。もっと使ってる人はいっぱいいると思うので」
「今日みたいに色んな種類のドラムを展示して、試奏をプロの方にやっていただくことで、素人でも音の違いがわかった。色々こだわって作られていることが伝わったので、これからも色んなドラマーさんの要望に応えつついい音を聞かせていただけたらと思います!」
――ありがとうございます!
続いて、もうひとかた。斎藤さん14才にもお伺いしました。
――本日はどういったきっかけで今回参加されたのでしょうか?
「もともと地元の楽器屋のドラムスクールに通ってて、そこでサカエを知って来ました」
――地元新潟の方ですね。サカエの楽器はご利用ですか?
「初めて買ったスネアがサカエで大好きで、でもドラムセット自体は見たことがなかったので今日来てみました。」
――今日実際にセットを見てみていかがでしたか?
「いやー、すごいですね。とにかく綺麗で、見た目もいいですし。実際叩いてみた時の音もすごいよくて」
――ドラムをやってくエネルギーにつながりましたかね?
「はい!すごく」
――ではサカエに対して一言お願いできますか?
「最高です!」
――ありがとうございました!
参加アーティストMASUO氏、Arimatsu氏豪華インタビュー!
終演後、出演アーティスト、MASUO氏(BACK DROP BOMB)、Arimatsu氏(VAMPS / 特撮)の両名にお話を伺うことができた。ドラマーとしてどのような気持ちでこのイベントに参加されているかや、音楽やバンドを取り巻く環境についての意見など興味深いお話を伺うことができた。
――今回MASUOさんはfeel the SAKAE 2回目でしたが改めていかがでしたか?
MASUO「いや、やっぱり違うね一人でやるのとはちょっと。始まる前まで余裕あるんだけど、始まってみるとなんか緊張っていうかね、ちょっと違う感覚。アウェイ感とかそういうのではなくて、みんなちゃんとドラムを見に来てくれているっていう。バンドとは伝える部分が違うじゃん?演奏をみて、ドラムを広めるというか、自分もやってみようかなって思って貰えたらいいなとか考えるようになったかな。
前回、やったあとに色んな人からドラムを始めようと思いますとか感想をもらって、そういう見方かーと思って。じゃあなんかそういう風にできたらいいなとか思って今回はやった。できてなかったけど笑」
――いや、お客さんとの質問の時にものすごく丁寧に答えられていたのでできてたと思いますよ!
MASUO「なんかそういうコミュニケーションが広まるようなイベントなんだなって、二回目にして気づいた感じ。」
Arimatsu「でもこれからfeel the SAKAEはツアーでまだ回るからね、またメンバーも変わったり土地土地でそれぞれ違う感じでおもしろいんじゃないかな?」
MASUO「根本的に言うとバンドとか音楽で飯を食うって産業的に衰退してるところがあるじゃん。CDが売れないとか。それは周りの状況のせいもあるだろうけど、単に良いバンドがいないのかなというところもちょっと自分たちも思わなきゃいけないなと。その大元をたどると、いいドラマーがいないと良いバンドはできないから、そこをちょっと開発していかなきゃいけないんじゃないかなと最近思ってるんだよね。この前ヒロシくん(Arimatsu氏)とドラムマガジンで対談したりもしてたんだけど。そういうきっかけとして、feel the SAKAEは良いイベントだなと思うよ。…真面目でしょ?」
――真面目っすね!!
MASUO「俺育ちは悪く無いからね。笑」
――Arimatsuさんはfeel the SAKAE今回初参加でしたがいかがでしたか?
Arimatsu「前回はfeel the SAKAEではなく、オニィ(大喜多氏)と二人でセミナーをやらせてもらって、今回はもちろんメンツも違うし真太郎くんと初顔合わせだったんで、他の人のプレイも見れてこっちがお客さんみたいなノリにもなるし笑。それぞれドラムに対してのモチベーションとか微妙に違ったりとかそういうところも結構刺激になるなって。時間があればもっと色んな土地も行きたかったけど、なかなか都合がつかなくて今回だけになったけど、またやってみたいと思いますね。
いいイベントだよ、ホント。なんかパーソナルに俺のセミナーとか真太郎くんのセミナーとかってわけじゃなくてサカエを介してっていうところがまた面白いよね。なかなかそういう形で全国を回ってるイベントって聞いたことないからね。辻さんの仕掛人としての(力の)たまものだと思う。」
MASUO「集客のこともあるけど、アーティストが一人って言うより複数でやったほうがいいと思う。見に行く方としては3人くらいアーティストが出てるほうが、入り口としてヒロシくん(Arimatsu氏)を見に来て俺や真太郎のプレイをみて、こういう人たちもいるんだって思ったりとかね。対バンと一緒でうちらのバンドの音楽を聞いてもらうきっかけにもなるし、違うタイプのドラマーを見てみて、ああいうアプローチの仕方もあるのかとか話したりして悩みが消えたりとかね。そういのもあるから3人ぐらいでやるのっていいよね」
Arimatsu「そう、すごいいいとおもう。見てる側もあきないしね。俺もひさびさにMASUOくんのドラム見るとおおーこういう感じになってきてんだと思ったし、真太郎くんは初めて見て、こういうタイプのドラマーなんだ、と思って面白いよね。」
MASUO「勝ち負けとかじゃないところがいいんだよね。お互いに勉強になる感じが」
Arimatsu「そうそう。いろんなドラマーがまた来るだろうから、時間があったらほんと色々参加したかった。お客として見に行きたいぐらいだしね」
MASUO「もっとやってもいいと思うね。お客さんが入る入らないじゃなくて、徐々にドラマーが増えればいいなと。あとドラムをやってる子たちも煮詰まってるところのつかえがとれたりしてくれるといいなと思うね。」
――煮詰まってると別のことをやったほうがいいっておっしゃってましたね。
MASUO「休むのも大事だね。やらなすぎるのも行けないけど笑」
――長い経験があってもドラムプレイでそういうことがあるんですね。
MASUO「それの繰り返しだね。」
――では最後にこれからのサカエに期待する一言をお願いします。
Arimatsu「ライブやレコーディングで使った感じを辻さんともんで、新しい開発につなげてお互い盛り上げていければ一番素晴らしい形なんじゃないかな。」
MASUO「それがサカエの一番良い所だよね。ダメなところを受け入れてくれると言ったら変だけど、こっちが改善点を提案するじゃん?もっとこうした方がいいとか、これちょっと弱いとか。普通あんまりそういうこと言わないじゃん。意外と。サカエの辻さんは、聞いてくれて次にはちゃんと直してくれるの。だんだんと音が良くなっていってるしハードウェア(キックペダルなど)も徐々に良くなってる。まだまだ変えていったほうがいいとこはいっぱいあると思うから、こっちはプレイを磨いてそれをちゃんと言える人間になっていきたいね。」
Arimatsu「そうだね。」
――ありがとうございました!これで筆者の足首の捻挫痛も引きました。
MASUO「じゃあ、飲んじゃえば笑」
一同笑
ドラムにすべてを捧げたと言っても過言でない両氏の言葉は穏やかで、迷いがなかった。
サカエドラム 辻俊作氏インタビュー
最後にイベントの企画者であり、サカエドラムの中心人物、辻俊作氏にお話を伺った。
――feel the SAKAE お疲れ様でした。
辻「まだ終わってないんですよ。お疲れ様ではまだないね。今年はあと3回feel the SAKAEあるしね、大分、福岡、そして最終が名古屋!その間にセミナーツアーもずっとやってるしね。次の段取りのために機材を送ったりと忙しいですね。」
――feel the SAKAEとセミナーの境界線というか違いってなんでしょうか?
辻「セミナーは(アーティストの)ドラムテクニックとかを重視。例えばオニィ(大喜多氏)とやってるセミナーだと曲を3,4曲演奏して部分的にこのリックはこういう発想から生まれたとか、速いとよくわからないフレーズをゆっくり叩いてわかりやすく説明したりとかですね。」
――この前のfeel the SAKAEで手応えを感じられてたようですが、まさかの4連チャンですね
辻「それをやったら今後一生やらないかも笑」
――4回とも取材行けるかなぁ。。
辻「行くでしょ。二回目の記事を乗せたら。途中抜けてたりしたらおかしいでしょ。」
――筆者は前回は、真太郎氏が同級生だったという偶然。今回足首捻挫(後日骨折とわかる)と毎回事件がおきてるので次の取材で何が起きてくれるか逆に楽しみですね。次の出演アーティストは決まってますか?
辻「次の大分は、シシド・カフカ、澤村小夜子(ねごと)、MASUO(BACK DROP BOMB)の三名だね」
――次回は女性の参戦ですね。しかも一気に二人と。しかも場所は大分ですよね、開催場所を決めるにあたって何か基準はあったのでしょうか?
辻「都市部はもうすでに楽器店に(サカエの)楽器が置いてあるし、実物を見に行ける。もうすでに楽器を見たことがある人も多い。なぜ地方を選ぶかというと、まだサカエのドラムセットをおいてないところを中心に選んでいる。今回の新潟のイベントも楽器店アポロンさんの近くで開いていて、そこにおいてもらおうと。今日も実際に購入したいという話があったりしたしね。こういったイベントがなければそういったこともなかった。」
――本日のお客さんの中でもスネアだけ持っていて、サカエのフルセットを見たことがない人がいて実際のセットを見て感動してましたね。
辻「そう、地方の楽器店さんとかだと小さくて置けなかったりするしね。こちらからアクションを起こさないと楽器店さんからは来ないよね。都市部の楽器店さんからは来るけども。地方の楽器店さんの方でも今の売上でもいいとか、だんだん売れなくなったねと言ってそれで終わってしまうとか。こっちで何かのきっかけを与えてあげないと、そういう情報がないのよ。ライバル店があるところとないところではいろいろな(販促)アイデアの出方が違う。
都市部でやっていることを紹介したり、もうちょっと見せ方を変えたら売れますよ、楽器をやる人口が増えますよとかも多分見せられると思ってる。」
――前回は本拠地大阪でしたが、そこで受けた感触で今回からは他の地方でもやっていこうと思われたんでしょうか?
辻「前回は大阪で、まあ1回目は成功したと思う。でも、2回目は成功するかどうかもわからない。実際集客という面では成功とは言えないと思う。でもそれは経験しないとわからないことで、新潟でも500人くらいのキャパで(いっぱいに)できるのかなって?実際今回できなかったということはやっぱりそれだけサカエを知っている人口がいなかったのかな。でも逆に3年後とかにここが全部埋まるぐらいのことができたら、それが本当にできたらその時、多分実感できると思う。あの時の経験が役立ったなぁと。」
――すごく楽しみですね!
辻「そこまで一応考えていつもやってるつもり。チケットの売り出しとかはKORGさんにお任せしてるところがあったりとかするけど、チケットの売上の枚数だけにはこだわってない。何人しか入ってないから赤字だとかはどうでもいい。それは集客があったに越したことはないけどね。
大分も土地的に人口はそれほど多くないだろうから、苦戦はすると思うけど、今から告知やアナウンスをして行きたいね。日程はfeel the SAKAEのHPに載ってるから見てみて。」
――まだまだ続きますね!次回も楽しみにしております。前回のfeel the SAKAEを見て今回も来た方もおられましたし、今日来たお客様に何か最後に一言お願いします!
辻「feel the SAKAE!!」
――ありがとうございました!
というわけで、次回のfeel the SAKAEは大分、博多の2日連続開催となるようだ。詳しい日程はfeel the SAKAEのHPを参考にしていただきたい。
ドラマーも、ドラマーでない人も是非一度feel the SAKAEに足を運んでみてほしい。アーティストとそれを支えるメーカーとの信頼関係を肌で感じることができるだろう。メディアや音源で聞くだけではわからないストーリーや思いを感じ取ることであなたの音楽体験をより豊かにすると思う。
取材・テキスト イナイマナブ
写真 小林正和(アトリエクラム)、イナイマナブ