天気予報をくつがえし、会場は見事な晴天!はたして電力は持つのであろうか?
メインステージ裏で最終日のタイムスケジュールを再確認する運営メンバーの方々
運営メンバーの方々に話を伺うと、どうやら晴れたからと言ってすぐに電力が余裕になるというわけではないようだ。
このままだとラストステージまでに電力がなくなる恐れがあるとのこと。
太陽が強力な午前中にどれだけ充電できるかということがカギらしい。午前中にバッテリーがたまらなければ午後以降は晴れていてもどんどん減っていくだけなのだとか。
太陽パネルで発電された電力をためるバッテリー。午前中にどれだけ充電できるかが勝負。
会場のお客さんからボランティアを募り、パネルの向きを太陽に向ける作業を行った。
パネルの上のほこりを落とし太陽に向けて垂直になるようにすること、それだけで発電効率が何パーセントも上がるのだとか。
筆者も微力ながら手伝わせていただいたが、太陽光パネル1枚は結構な重さがあった(15kg~20kgほどとのこと)。エコはおしゃれでやるもんとかではない。。ほんとにやるエコってのは大変なものだった。
橋の下音楽祭では約400枚のソーラーパネルとオフグリッドシステム”Personal Energy”によって電気を作っているそうだ。
そこまでしてやるのはなぜなのか?電力を担当する神戸の慧通信技術工業 代表の粟田さんにお話を伺った。 神戸の慧通信技術工業 代表の粟田さん 橋の下音楽祭を支える縁の下の力持ちだ。
粟田さんのお話によると、もともとインターネット用サーバーのデータセンターの非常電源として太陽光パネルを開発されていたとのこと。
ーー粟田さんが参加されたときの経緯を教えていただけますか?
粟田「3年ほど前にヨシキに知り合ったときに太陽光でやりたいって言われたんですが。太陽光なんてインチキだからいやだといった。
太陽がなくなったらそれで終わりそういう覚悟があるなら、うちでオフグリッドというシステムがあるから一緒にやるよと言ったんです。世界中でここだけですよね。バックアップ無しで太陽光の力だけでやっていて、電源切れたらそこで終わりなんていうふざけたイベントは。(笑)」
ーーオフグリッドとは何でしょうか?
粟田「その場で発電してその場で使ういわば独立型のソーラーシステムのことをオフグリッドというんだけど。言葉の意味ではグリッド(電力会社の送電網)から外れるということだけど。
ここのパンクスたちも普通のサラリーマンなんかと違って社会の枠から外れて自由に生きてる人たちだし、同じだなと思って共感して参加したというのはありましたね。」
ーー橋の下音楽祭で余裕でまかなえる電力量を確保しようとすると今の何倍くらいの設備が必要でしょうか?
粟田「そうですね。バッテリーも含めてこの設備の3倍くらいは必要でしょうか。それぐらいあれば雨が降ってもどんちゃん騒ぎを続けても全く心配はないと思いますが(笑)」
ーーなるほどそんなに量が必要なんですね。今後の目標などありますか?
粟田「フェスティバルでこのシステムを使ってるのは橋の下だけなので。ほんとはもっと大規模に使うものなので。しいて言えばもっとみんなに喜んでもらえるようにちっちゃくするとか、容量を増やすとかそういう改良をしていけたらなと考えていますね。」
粟田さんの会社は神戸にあり、阪神大震災を機に、独立した電力を生み出す必要性を感じオフグリッドのシステム開発したという。今年参加される皆さんもぜひ橋の下の電力に注目してほしい。
閉塞した状況から一遍した最終日。参加者も出演者も一様に笑顔が浮かぶ。
一種の連帯感が生まれフェス自体の熱気もどんどん盛り上がっていくようだった。
取材そっちのけで飲みまくり、いろいろな人に話しかけてみました。ご協力いただいた皆様ありがとうございました。
お客さんミソさん。今回で2回目の参加。メタルパーカッショニストの佐野さんのバンドともお知り合いだそうです。
色々なフェスに参加されるそうですが、橋の下のお客さんを見て思うことは、いろんなジャンルの音楽が好きなお客さんで、しかもおしゃれな人が多いという印象。とのことでした。
アパレルブランドGARA代表のニガラさん。地元浅草でも橋の下みたいなフェスやりたい!とのこと。
2015年度はGARA、FUUDOBRAIN、BLACKMEANSという3ブランドで出店されているそう。
橋の下音楽祭の限定グッズや、タートルアイランドのメンバーも愛用するシューズなどを紹介してもらった。
タートルアイランドのメンバーもステージ上で愛用するシューズ。2016年も要チェックだ。
昨日のライブで一番印象に残ったMARJINALのボーカル、マイク
版画とTシャツの作成をブースで行っていたので、残念ながらインタビューはかなわなかったが彼の仕事っぷりを写真に撮らせてもらった。
無地のTシャツを届けに来たという出演アーティスト(左)と一緒に。
版木をセットしたら。。。。レッツダンシング!Tシャツに圧着させていく。
電力が回復しライブステージも大盛り上がり。
風の音楽団の強烈なパフォーマンス。締めに名曲「YAH YAH YAH」をカバーするあたりのセンス…最高に楽しかった。
札幌からANTAGONISTA PUNKROCK ORCHESTRA(アンタゴニスタ パンクロック オーケストラ)
セネガル生まれのパーカッショニストラティール・シーの率いるAfrica Sunuxelcom
夕日を背に受けてひたすらにシンプルで力強いな歌声が会場にこだます。
夜になり、サブステージで異常な盛り上がりを見せるバンドがいた。その名も切腹ピストルズ。
身の危険を感じるほどの盛り上がりを見せるライブであった。和太鼓を中心に据えハードコアパンクと八重節の中にここまで共通項が見出せるとは。。
聞けば必ずぶっ飛ばされる。単純にそれしか言えない。素晴らしい演奏だった。
そしてトリを務めるのはもちろん皆さんお待ちかねのタートルアイランド!!!
お祭りでは神輿を担ぐことで神様とつながり、豊作や大漁を願う。タートルアイランドの音楽を通してまさに同じようなことが起こっていると感じた。
海外からやってきた文化を飲み込んで、自分たちのアイデンティティも失わない。単なる真似事ではない音楽を、自分たちの音楽をやる。なければ自分たちで作ればいい、やってやる。
最終日の奇跡的な天候回復はただ単に運が良いからというよりも、こういう強い気持ちを持っていたからこそ、天が味方したのではないかと思う。
写真を見てもらえばいうことはない。ただ最高の一言。
気になったら2016年の橋の下音楽祭に行ってみてほしい。
豊田大橋の下で人間を解き放って飲み、踊り、笑い。叫ぶことができるだろう。そして自分の声の大きさにびっくりするかもしれない。人間にはこんなに力があるんだということを一人一人に気づかせてくれる、そんなフェスティバルだ。
もちろん天候が悪かったら最悪だろうけど、人間なんかしら一か八かで賭けに出ないといけないことばっかりだ。やってみなけりゃわからない。2015年は最高のエンディングだったが、2016年はどうなるのか。それは皆さんの目で確かめてほしい。
最後に無粋な一言。
大会の主催「ぬ組」のマークは江戸時代に流行った判じ絵で「構わぬ」(鎌 + 輪 + ぬ)といういわば洒落で、誰に何を言われようが何が起ころうが一向に構わぬ。という意味でつかわれていたようだ。
皆さんもそんな心意気で参加してみてはいかがだろうか?