4649drum.comを御覧の皆さんこんばんは。サイト管理人のイナイです。今回は
去年2015年の橋の下音楽祭の体験レポートをお伝えしたいとおもいます!
ん?ドラムと関係ない?いや大ありです。
去年取材をしておきながらやっと今お届けしたいと思います。すいません!!切腹!
関係者の皆様には心よりお詫び申し上げます。
橋の下音楽祭とは?
我ら竜巻太郎さんのバンド、タートルアイランドが中心となり愛知県豊田市で行われている音楽フェスティバル。2012年から行われており2016年で5回目を迎える。
国内外からパンク、ブルース、民族音楽などの垣根を超えた実力のあるバンドが多数出演する。
チケット代は当日の投げ銭制、つまり自分で払いたいと思った額を払えばよいという何とも太っ腹なシステム。
場所は豊田スタジアムのすぐそば、日本を代表する建築家、黒川紀章が設計しためっちゃかっこいい異形の大橋、豊田大橋の真下だ。
ここまででも十分硬派なのに、このフェスにしかない極め付けがある。。
このフェスで使われる電力のすべては会場に設置された太陽光発電でまかなっているというのだ。
しかも電力がなくなったらそれはそれ!あとはアコースティックでやるよ!という潔さ。
今年ももちろんやるみたいなので興味を持った人はぜひ行ってほしい!
大学生の夏休みのたまり場になっちまったお高いフ●ロックとかよりも全然面白いよ!コワモテの兄ちゃんとかもいっぱいいるけどみんな音楽を心から楽しんでるナイスな人ばかりでした。
そんな橋の下か音楽祭の去年(しつこいようだけど)2015年の模様をお送りします。
また例によってダラダラ書いていくので気になったところだけつまみ読んでもらってOK。
2016年は出演アーティストや会場の一部が異なってるところあると思うが現場の空気感が伝われば幸いである。それではどうぞー。
2日目の夜、会場へと向かう
筆者が到着したのは開催初日の深夜。。だれもいない愛知県豊田の街。
会場となる豊田大橋のある場所まで歩いて行くことに。どうなることやら。
10分ほど歩くと橋が見えてきた。そしてなにやら歌声が、、聞こえる。
初日のステージはとっくに終了、出演アーティストやスタッフの方、お客さんが酒を酌み交わし和やかな雰囲気であった。
今回お招きいただいた竜巻太郎氏と合流!会場内を案内していただくこととなった。
会場は橋を挟んでテントエリアと駐車場が。普段はバーベキュー場として利用されている場所らしく
テントエリアは十分な広さがあり、地面も平らでしっかり。子供向けの遊び場やマーケット物販、フードの出店などもあり家族できても十分楽しめる設備が用意されていた。
ステージはメインステージとサブステージの2つがあり、それぞれ自分たちとボランティアメンバーで1か月ほどかかって組み上げたとのこと。強烈なDIY精神!
威風堂々のメインステージ。すべて自分たちで組み上げ、しかもゴミを出さないようにバラバラにしてまた何回も使うとのこと。
メインステージとサブステージの間には銀馬車という名前のビール売り場スペースと、その隣には橋の下音楽祭の精神に共鳴した商店の出展ブースが並んでいた。
メインステージ前の銀馬車。※ビールの値段は2015年度のものですあしからず。
橋の下北側にキッズエリアや授乳所、大きな広場、その近くにキャンプエリアがあった。
もちろんトイレもバッチリ。開催期間中、トイレにならぶことは一度もなかった。
しっかりとしたエリア作りがされているので幅広い年齢層の方が来ても大丈夫。
一通りエリアを見て回ったところでテントを立て1日目は終了。
初日のアーティストを見逃してしまったのが残念だったがしょうがない。
音楽祭2日目
音楽祭2日目は祭りの始まりを告げる木遣りからスタート。
木遣りとは祭りの始まりに安全を祈願する儀式。日本の祭りには欠かせないものだ。地域の青年会や自治会長も参加し、しっかりと地域に根付いた祭りとして認められているようだ。
音楽祭2日目はうす曇りの一日となった。このことで後に大変なことになるのだが、、
救護所やキッズエリアは朝早くから利用することができるようだ。
フードのお店もいくつかオープンしていたので朝食も済ませることができた。うまい!
洋服や飲食のショップコーナーも充実。近隣の都市だけでなく東京や大阪など全国各地の出展者が軒を連ねている。
それ以外にも鍛冶屋(日本鍛冶と西洋鍛冶)など普通のフェスでは見ることのないショップなども用意されていた。
ライブスタート
皆さんもぜひ体験してほしいのだが、長唄やパンクロック、ブルース、様々な国の民族音楽などが自然にとなりあってラインナップされていて、それぞれが現代の歌として新鮮に聞こえる。
メインステージとサブステージで交互にライブが繰り広げられていった。
地元、豊田で結成されたパンクバンドROTARY BEGINNERS-ロータリービギナーズ-
威勢のいい太鼓の音に合わせてマーチングバンドが会場を練り歩く。エンターテインメントと同時に投げ銭の回収も行われる。
周りを見て気づいたのはステージだけでなく会場自体に音楽があふれていて、演奏者とお客さんの距離感がすごく近いということ。皆同じ地平にたって音楽を聴いている。という姿勢だった。
老いも若きも、金持ちも貧乏人も、同じ時間を共有できる。音楽フェスとかそういう狭い範囲のくくりではなく広い意味で人々に求められているお祭りなのだなと感じた。
、アーティストがペイントする横で子供もペインティング。開催期間中に次々に違う絵に塗り替えられていく
※写真は2015年度のものです。
キャンプエリアのほど近くで行われたアフリカンドラムワークショップの様子。太鼓のリズムに合わせて大人もこどもも気持ちよく踊りまくっていた。
西アフリカのギニアやコートジボワールでたたかれている打楽器、大きなものは「ドゥンドゥン」小さなものは「ケンケニ」、「サンバン」、「ジェンベ」というらしい。色々な組み合わせでお祭りや結婚式などで演奏される生活に根付いた音楽なのだそう。
お昼過ぎ前ごろからだんだんと人も増え始め会場はだんだんと熱気を帯びていく。ライブステージもこれに呼応するように熱いライブステージが繰り広げられていた。
※写真は2015年度のものです。
二日目の昼過ぎに出演し、圧倒的なパフォーマンスを見せつけたOKI DUB AINU BAND
そんな熱いライブの中でもOKI DUB AINU BANDのフロントマン、トンコリ奏者のオキがMCで放った一言が印象的だった。
「橋の下音楽祭は世界で最先端のフェスだ」
橋の下音楽祭ではステージパフォーマンスの全電力を、会場に設置されたソーラーパネルによる発電でまかなっている。エンジンなどを使った予備電源はない。それはほかのフェスにはない大きな特徴の一つである。
単純に大きなフェスティバルにしたいだけならば、大きなスポンサーを探してチケット代を取ればいいし、これぐらいの集客規模があるならばもう容易にできるのではないか?とも思ってしまう。.
しかし、このフェスは支持する中小企業からの協賛や、人々の投げ銭だけで成り立っている。だからこそ本当にモノが言えるし本当に自由だともいえるのだろう。世界中見回してもここまで独立性の高いフェスを企画できているところがあるのだろうか?
オキの言葉「最先端のフェス」とはそういった意味も含まれていたのでは思った。
世界中から集まるアーティストも主催のタートルアイランドの意思に賛同して集まってきた独立独歩な実力派バンドばかり。
めっちゃかっこよかったです。
インドネシアからきたMAGIK(MARGINAL Acoustic)
もしかしたら午前中で一番盛り上がったかもしれない。。普段はバンド形式でインドネシアの首都ジャカルタを中心に活動を行っているパンクバンド。今回はアコースティックデュオでの参加となった。
単なる音楽活動だけにとどまらず、生活共同体「タリンバビ」を主催し、ストリートチルドレンなどに生活拠点を与えるなど独自の活動を行っている。
近年彼らに関するドキュメンタリー映画が作成されたようなので興味を持った方はそちらを見てほしい。
https://www.youtube.com/watch?v=RFefFUcJK28
https://www.youtube.com/watch?v=60mcY-Oa-7A
だんだんと夜が更けるなか、トイレに立ち寄ると、なにか見覚えのあるひときわ怪しい人影が。
4649drum.comにもライターとして参加して記事を書いてもらっているメタルパーカッショニストの佐野アツシ氏(BIRUSHANAH、やじん)ではないか!!
※まったく悪いことをしていないのに子供に怖がられる佐野氏。ツアーの途中にメンバーとともに遊びに来たそう。
会場で鍛造された釘の音をしっかりと確かめておりました。さすがメタルパーカッショニスト!!目が本気です。
またぶっ飛んだ記事を4649お願いします!
二日目のトリはタートルアイランド。。のはずが
夜は更け、次々にバンドの演奏が行われていく。
スペインバスク地方のREBEL MUSICバンドESNE BELTZA(エスネベルサ)アジアばかりでなくヨーロッパから、クラブ文化の本場スペインからのバンドが参戦。会場は一気にパーティーモードに。
最終日のオオトリを務める予定だったハンガイ(モンゴル)が突如2日目のトリを務めることとなった。
まさに骨太なロックバンド。馬頭琴で紡ぎだされる雄大なメロディーは日本とモンゴルのつながりを感じさせる素晴らしいライブであった。
これにてライブは終了…かと思いきや、どこからともなく聞き覚えのある太鼓の音が。。
地元豊田の阿波踊り太閤連が素晴らしい踊りを披露。勇壮でダイナミックな男踊り、しなやかな女踊り、子供たちの初々しい踊りなど様々な踊りが披露され会場のボルテージは一気に上がった。
太閤連が終わり2日目の幕が閉じようとするころ主催のタートルアイランドのボーカル ヨシキ氏よりアナウンスが
「本日の2日目の曇天の影響により、明日の夜までに電力供給がストップするかもしれません。ハンガイはゲストなので演奏できないという状況にはしたくありませんでした。よってタイムスケジュールを変更し、二日目のライブバンドのトリを務めてもらうことにしました。
天気予報では明日は雨か曇りだそうです。俺は晴れると信じていますが。
もし万が一電気が切れたらその時はその時です、アコースティックセットでやれるだけやりますのでよろしくお願いします。
」
会場には10000人ほどはいただろうか、これだけの規模のフェスティバルでまさに運を天に任す。
前もって聞いてはいたが本当にやるとは。。
実行委員の方には申し訳ないが、このフェスティバルのすごいところだと思う。こういう経験はなかなかほかのフェスではできない。
さて最終日はどうなるのか。。