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続いてMASUO氏(BACK DROP BOMB)の演奏がスタート!
舞台転換が終わり、続いてはMASUO氏!
セットリスト
1.EVEN
2.TELL
3.NO ONE ELSE
今回のドラムセットはCelestial(セレッシャル)のセット。 Back Drop Bombのアルバム「Loftinaction 」から3曲をプレイ。前日ライブの疲れが若干見えるものの、さすがとしか言いようが無いパワーとテクニック。ステージ後方のスクリーンには客席からは見えない足元や、真上からタム回しの様子を映し出していた。 最初にチューニングセミナーを行ったこともあり、曲間のトークは少なめであったが圧倒的なプレーでお客さんを魅了していた。
Back Drop Bomb Official Website
サカエドラムセット解説
MASUO氏の演奏終了後、司会の後藤信介氏( WIND JAMMER)とサカエドラムのデザイナー辻氏によるドラムセットの解説紹介が始まった。この日設置されていたのはThe Almighty Birch(オールマイティ バーチ)、澤村小夜子氏が使用したばかりのThe Almighty Maple(オールマイティ メイプル),Trilogy(トリロジー),そしてMASUO氏が使っていたCelestial(セレッシャル)の4台でそれぞれ詳しく解説していた。 写真 左から 後藤信介氏とサカエドラムの辻俊作氏。写真中央は澤村氏が使ったばかりのThe Almighty Maple(オールマイティ メイプル)。
ドラムのシェル部分(胴体の部分)にメイプル材を使ったドラムセットは一般的に明るめの音がするらしい。ただ、明るめ(高音域)の音を強調するあまり、低音域が少ないなどの理由でバンドの中で存在感のない軽い音に聞こえてしまうことがよくあるそうだ。
The Almighty Maple(オールマイティ メイプル)では、色々な木の重ねあわせ方、組み合わせ方を試して、工夫することでそう言った問題をクリアーしている。 また、タムのマウントの仕方にもこだわりがあり、バスドラムとセットにする形ではなく、タムのみを独立した状態にセッティングできるようにしている。このことでメイプルながら低音域が出るようになったが、逆に出過ぎるようになったためにタムの深さを浅めに設計しなおして調整したとのこと。
単純に流行っているから浅胴のタムにしたわけではなく自然な流れでそうなったそうだ。 名前の通りオールマイティに色々なジャンルに使えることを後藤信介氏が実演、ジャズのフレーズや打ち込みのサウンドに合わせた4つ打ちフレーズなどを披露。
そして、今回はお客さんにもその場で叩いてもらっていた。先ほどの澤村氏の演奏時はスピーカーから出た音を聞いていたわけだが、実際に叩くことでドラムそのものの音を体感できたよう。音像がバラけることなく引き締まった塊となって体に伝わってくるという特徴があるようだ。
続いては 最初のチューニングセミナーでMASUO氏がチューニングしていたThe Almighty Birch(オールマイティ バーチ)の説明。
こちらはバーチというカバ材を使ったドラムセットで、メイプル材に比べて少し暗めというか重心が低い音のキャラクターを持っている。 辻氏いわく、去年発売されたセットでタムとフロアタムとバスドラムの胴の厚みがそれぞれ違うとのこと。
メイプル材のような耳に痛い高音域が少ないようになっている。ただし暗くなりすぎて埋もれてしまわないようにタムのシェルは薄め、バスドラムは厚めにすることで前への押し出し感を調節しているとのこと。 後藤氏による実演では、ミドルテンポの8ビートフレーズをプレイ。先ほどのセットよりもどっしりとした印象を受けた。
後藤氏いわくおすすめのジャンルとしてはメイプル材は激し目のロック、バーチ材は激しい音も出せるが、もう少し緩やかなロックやポップスなどに力を発揮するのではとのこと。 辻氏によると、バスドラムにもさらに一工夫あり、バスドラムを固定する足の部分にラバーマウントという工法を採用し、少しバスドラムが宙に浮くようなセッティングになっている。
このことでバスドラム本体が揺れてミュートなしでも使えるまとまった音が出るようになっているとのこと。 まだサカエドラムが独立する前に作っていた名機のカラーリングを引き継いでいるようだが、良い部分を残しながらも同じものを作る気は全く無いとのこと。
ここでメイプル材との違いをよく分かるように、お客さんにThe Almighty Birch(オールマイティ バーチ)を叩いてもらい先ほどのThe Almighty Maple(オールマイティ メイプル)と比べてみることに。
写真左がThe Almighty Birch(オールマイティ バーチ) 右がThe Almighty Maple(オールマイティ メイプル)
バスドラム、タム、フロアタム、の三点をそれぞれ個別に叩くことで音のキャラクターの違いがはっきりと伝わっていたようだ。
続いてTrilogy(トリロジー)の紹介。60年代70年代のビンテージドラムを意識したシリーズで、ビンテージドラムを新品で使った時にどのような音がするのだろうというコンセプトで作られている。
Trilogy(トリロジー)の由来は、英語で「3」を意味する「Tri」という言葉から。このセットのシェルは3枚の木材を重ねることで出来ている。 現在のセットでは木材の加工技術が上がったことで5枚や6枚などもっと多くの木材を重ねることができるが、当時は3枚重ねで作ることがスタンダードだった。そのため現在のドラムセットに比べてシェルが薄く、剛性や音の干渉に弱くなってしまうことがあるそうだ。
それを防ぐためにレインフォースメントと呼ばれる補強材がつけられていた。そういった部分もしっかりと再現している。 様々なビンテージモデルを探して研究し、チューニングによってそういったモデルの音のキャラクターを幅広く再現できるように開発したとのこと。 音のキャラクターとしては前の2セットとは大きく異なり、柔らかくソフトな印象だ。ポップス、ブルース、ソウル・ミュージックなど歌ものを聴かせる音楽で力を発揮するとのこと。
司会の後藤氏はこちらのセットを使用しており、アコースティックデュオのサポートをする際に重宝しているとのこと。 その他の大きな特徴として、シェルに直接着色するのではなく、色がついたカバリングを巻いている。これは見た目だけでなく、大きく音にも影響しているのでTrilogy(トリロジー)にはカバリング仕様しかないとのことだった。
ラグ(打面の留め金)にも他の機種とは違う特徴がある。特にスネアのラグについては他のものより軽く、留め金の本数が少なく音の広がりを重要視したセッティングになっているようだ。 お客さんの体験試打ではオールドスクールなロックのフレーズを叩いていたが、確かにそういう音を叩きたくなる音だった。
最後に、MASUO氏の演奏していたCelestial(セレッシャル)の解説。
辻氏によると、先ほど紹介していたThe Almighty Birch(オールマイティ バーチ) の発展形で、もともとメイプル材をメインに開発がスタートしたがなにか物足りないということで、ヘッドが接する面にブビンガという木材を使用することで十分な低音域と、高音域が得られるようになったという。
さらに、タムの大きさによってシェルの木材の重なっている数(プライ数という)を変えており、10インチでは5枚重ね、12インチでは6枚重ね、16インチでは10枚重ねと大きく異る数でシェルを作成している。 それぞれのタムで鳴らしたい理想の音を探していく過程で、異なるプライ数で作成するという方法に至ったそうである。
そこまででも十分に違いがあるのだろうが、更にヘッドとシェルの接する部分の角度までそれぞれに最適な組み合わせを追求しているとのこと。
要するに、90年ドラムを作ってきたメーカーがむちゃくちゃこだわりぬいて作ったすげー音がするドラムということだ!是非店頭やアーティストの音源などで実際に聞いてみて欲しい。
出演アーティストによるトークセッション
ここで参加アーティストと辻氏によるトークセッションが開かれた。 相変わらず距離が近い!普段ならありえない距離に憧れのミュージシャンがいるというこの状況。取材3度目にしても未だに慣れないが、初見のお客さんはかなり驚いたのではないだろうか。
司会後藤ーー「お疲れ様です。相変わらず距離が近いですね笑。まだシシドさんは本番終わられてないんですが、澤村小夜子ちゃん、MASUOさんお疲れ様でした。MASUOさんもまだ最後の第三部でドラムのレクチャータイムなどがあるんですが。」
澤村「いいなー、私も生徒として見に行っていいですか?」
MASUO「いいよ。」
司会ーー「8千円ね。」
澤村「高い!…いや、わかんないMASUOさんのだったら高くないかも。」
司会ーー「笑。そして、改めてご紹介しましょう。シシド・カフカさん。」
会場拍手
司会ーー「モデルさんや、女優さんがいっぱい並んでいる記者会見などでよくやられてるかもしれませんが、今日は雰囲気が少し違いますけど大丈夫ですか?」
シシド「そうですね。今日はなんか安心してます。ホームに帰ってきたような感じがして。いつも隣見るとすごい人達ばっかりで緊張するので、笑。」
司会――「これから幾つか質問させていただくのでよろしくお願いします。まずは、それぞれのアーティストの方がサカエドラムに出会ったきっかけというのをお教えていただけますでしょうか?まずは澤村さんいかがでしょうか?」
澤村「私は、カウントダウンイベントかなんかでBIGMAMAのライブを見た時ですね。ドラムの音がめっちゃカッコイイと思ったのがきっかけです。それでメーカーの辻さんに連絡をとってもらって即、借りて半年ぐらいライブで叩いてみて決めた感じです。あとはサカエの文字がSAから始まることも大きかったですかね。(SAYAKOというローマ字に近いため)」
司会ーー「なるほど、ではシシド・カフカさんは?」
シシド「私は、師匠のおすすめといいますか。私の師匠がUVERworldのサウンドプロデューサーの平出さんという方なんですけれども、その方が「シシド、とにかくサカエが最高だ」と。新品からすごくよく鳴るというのもあり、私にとっては初めての自分のキットだったのでサカエが適していると勧めていただいてそのままずっと叩かせていただいています。」
司会ーー「師匠というとアルゼンチンの方の師匠かと思いました。」
シシド「ダニエル・ピアソラさんではなく、今一番教えてくださっている師匠の平出さんですね。」
司会ーー「なるほど。で、MASUOさんはいつものあれですか?」
MASUO「たまたま。だね。」
辻「たまたまぶつかった。」
司会ーー「…。では、それぞれ影響を受けたジャンルや、アーティストを教えていただけますか?」
澤村「私は結構歌ものが好きなので、夏川りみさんとか、QUEEN、モーツァルトとかのオペラを聴くのが好きだったので。ドラムに影響しているかどうかはわかりませんけど、メロディと歌詞を重視するところはやっぱり影響受けているかなと思いますね。」
司会――「なるほど、ではシシドさんは?」
シシド「私は直接的に(ドラマーに)感銘を受けて始めたというわけでは無いですね。聞いてる音楽がかなり雑食なので。でも昔やってたバンドでツェッペリンが好きなメンバーいてある日、シシドお前ボンゾ(レッド・ツェッペリンのドラマーの愛称)になれ、と言われまして、そこからスパルタ教育で教えられましたね。だから一番影響を受けているとすればボンゾになるんじゃないかと思いますね。」
司会――「それは、日本に帰って来てからやね?(シシド氏はアルゼンチンでドラムを始めた)」
シシド「そうですね。THE NEWSというバンドで。育てていただいた形です。スパルタでしたね。曲のドラムソロが始まるとメンバーは楽器を置いて良いフレーズが出るまでずっと聞いてるんですよ。」
澤村「わー、こわい。」
司会――「笑、でもドラムやり始めた頃ってそういうことってありましたね。ジャムセッションなんかでドラムソロが回ってくると他のみんながステージ降りて飲みだしたりとかね。そういうのないですかね?」
澤村「私はそういうのは一度もないですね。」
司会――「そういうのがあったから今は楽しくできるということもあるんですけどね。そういうことがいっぱいあったであろうMASUOさんはいかがですか?影響を受けたアーティストは。」
MASUO「鉄アレイ、デスサイド、リップクリーム。。日本のハードコアのバンドなんですけど、高校生の時にガッツリはまってしまって。曲が速いし、聞き取りづらいからよくわかんなくてただドラムはきついもんだと思ってた。そういうところは自分でスパルタ式でトレーニングしてた。途中でちゃんとした、と言うかもうちょっとまじめにグルーブとかを考えだしてからは、インフェクシャス・グルーブスって言うバンドがいて、スーサイダルテンデンシーズとかも。ベースがスラップしてるバンドが好き。ジャンルで言うとロカビリーとかサイコビリーとか、ストレイキャットとかも好きだったね。」
司会――「なるほど、では辻さんは何でドラムを作り始めたんでしょうか?」
辻「たまたまや。」
司会――「笑、では影響を受けたドラムはありますか?辻さんはもともとギタリストだったと伺ってますがなぜドラムづくりの方にいったのか気になるので。」
辻「たぶん、自分がドラマーやったら1種類のドラムしか作れなかったかも知れない。色んな種類のドラムが作れるのは自分がドラマーでないのでこの音を実現しようというのがそもそも無いから。この音楽にあった音を作ろうっていうのはあるけど、自分自身でこの(特定のドラムの)音を生み出そうとは思わない。誰かエンドーサー(サカエドラムがサポートするドラマーのこと)がいてその人がこういう音を出したいというのであれば実現することは可能だけど、自分発信で絶対この音が欲しいねというのはそんなに無いですね。」
司会――「なるほど、これから自分で楽器を買おうとしている人にとっては一つのヒントかもしれないですね。自分の思っているこの楽器かなというものだけではなく違う楽器にもチャレンジしてみるということで出会いというのはあるかもしれないですね。では、次の質問にいきます。多忙な皆さんは普段どんな練習をされているのでしょうか?」
澤村「私は、バンド練習でやるのが殆どですね。個人練習で入るとすればレコーディング前にちょこっとクリックに合わせる練習をするとか。クリックを8分音符で鳴らして、頭のアクセントに合わせる練習をやってその後、裏のアクセントに合わせる練習とかをしてましたね。あとは、妄想練習ですね。自分がうまく叩いている姿を妄想してます。ちなみに食べ物は納豆です。」
司会――「笑、なるほど、ではシシドさんはいかがでしょうか?」
シシド「私は基本自分の曲を覚えることですね。ドラムとボーカルいっぺんにやっているのでドラムが完全に体に入っていないと大変なことになってしまうので。どっちにも意識が置けなくなってしまうんですね。昔の曲であっても体に染み付いてるかどうかの確認作業が多いですかね。歌と一緒にやってみてどうかとか。ちなみに食べ物は肉です。」
司会――「笑、ではMASUOさんは?」
MASUO「俺も一緒かな。結構やることが多いので。バンドも3つくらいやっててサポートやってとか誰かのレコーディングやってとかなると、結局前日にそれをスタジオに入って覚える練習とかに今はなってますね。昔はリズムの練習としては、先輩に聞いた方法で右手にマラカスを持って16分できっちり鳴らして左手で8ビート叩くとか。あとはチェンジアップだね。バスドラムで足踏みしながら、4分音符、3連符、8分音符、16分音符を叩いていくというやつね。あとはダブルストロークといった一般的な練習を昔はちょいちょいやっていたけど。」
司会――「そういうのって重要ですよね、普段あまり個人練習しないという人でも気がつけばやってたりとかしませんか?さて、今回は女性ドラマーがお二人おられるということで女性ドラマーあるあるを聞いてみたいのですが、男性とは違う温かみみたいなものもあると思うんです、自分の中で女性ドラマーならではの思っていることとかありますか?」
澤村「少し文句になってしまいますけど、シシドさんは背が高いのでいいのですが、ドラマーチェアをいくら下げても高いとか、スネアをどれだけ下げても低くならないとかそういうのは結構悩みではあります。辻さん小さめのやつって無いですか?」
辻「あるよ。」
澤村「あるんだ。じゃあ早く言ってください笑。最近使い始めたスネアスタンドとかこれ以上下がらないんだとか思うことが多くて。」
司会――「明日、送られてくるよ。」
辻「明日は福岡やから無理や。」
司会――「でも、サカエの対応はホンマに速いですよね。」
澤村「ほんとに速いですよ。連絡するとすぐ送られてくる。…あと女性ドラマーの特徴で言うとしなやかですよね。他の人のライブを見てると。不思議ですよね。」
司会――「シシドさんはいかがですか?」
シシド「不思議ですね。何でしょうね。その違いはよくわからないんでけど、女性には女性にしか出せない音があると言われることがたまにあって、女性は男性のような音をだすことは可能だけれど、男性はどんなに頑張っても女性の出すような音は出せないというのがあるみたいですね。特にそれを好んで下さるミュージシャンの方もいて話しかけて下さったりとか一緒に共演して下さったりする機会が生まれるのでその点では得してると思いますね。でもマメとかで手も可愛くなくなっていくし、そういうのはありますけどね、笑。」
司会――「男性には子供生むことはできませんしね。そういったものが音にも影響するのかもしれませんね。生み出すものが違うという。なるほど。ではお客様からのご質問をお願いしましょう。どなたかありますでしょうか?」
男性の方――「自宅にドラムセットとか練習用のものはありますでしょうか?」
MASUO「V-DRUMがあるよ。それは頑張ったから笑。」
澤村「えー、じゃあ防音とかもされてるんですか?」
MASUO「いや、昼間限定で叩いてる。」
司会――「では次の方どうぞ」
男性の方「本番前のウォーミングアップの方法とか、ゲン担ぎとかあったら教えてほしいです。」
澤村「ゲン担ぎ、ありますね。私はだいたい自分のバンド(ねごと)で演奏することが多いんですけど、本番前にメンバーみんなで10回ジャンプするんですよ。それはなんでかって言うと短距離ランナーの人がやるとスタートダッシュがうまくなるらしくて、それを真似してます。」
シシド「私は、ライブの前はラジオ体操してます。」
澤村「えー、かわいい。第一体操ですか?」
シシド「第一体操を2回やって、第二体操を1回やるっていうのがベストだったんですけど、この前Youtubeをみるとその第一と第二の間に首に関する体操もあるみたいで、それもやるとだいぶ体が温まりますし、次の日に疲れが残らないようになりますね。ゲン担ぎで言えば、ライブの前の日にものを捨てるようにしてます。ライブで成功であったり、得るものを入れられるスペースを作るためにそうしていますね。」
司会――「なるほどー。ちなみに昨日は今日のライブに向けて何を捨ててこられましたか?」
シシド「えーと、普通に使いきったクリームとかですね。」
一同笑
シシド「捨てるものは普通のゴミでもなんでも良くて。あとは携帯のメールであったり、パソコンファイルでも良いので不要だなと思ったら全部捨てるようにしてます。」
MASUO「俺は、ストレッチと筋トレ。筋トレは後で見せます。あとは、スティックを思い切り振り回して小さな動きと大きな動きと両方やって、肩と手首の周りとかを温めるように、特に冬は入念にやります。ゲン担ぎ的なものは特にないね。」
司会――「他ご質問無いでしょうか?では男性のかたどうぞ。」
男性の方――「ライブの直前やライブ中の緊張への対処法を教えて下さい。あとはパフォーマンスについてどのように考えているか教えて下さい。」
澤村「私は、あまり緊張しない方ですけど。メンバーの中でイヤモニなんかのバランスが聞きづらくてどうしようとかメンバーのことが不安になる時があって、そういう時はなるべく嫌なことを考えずにメンバー同士で送り合った変な画像の事だったり、コンタクトレンズの期限いつだったかなとか関係ないことを考えてリセットするようにしてます。パフォーマンスについてはドラムを練習するときに鏡を見ながらやることが多くて、今こちらの手が開いてるからスティック回して見ようかなとか、練習始めたんですよ。ドラマーは色々(パフォーマンス)できるから。全然座って叩かなくてもいいし、走り回ってもいいと思うし。なんでもありだと思う、笑。」
シシド「私は緊張についてはものすごく緊張しいで。この後の演奏についても緊張がどんどん高まっているんですけど、笑。何か特別なことをするわけでは無いですけど、ステージに上るまでMAXに駆け出したいくらい緊張していてもフッと冷静になれる瞬間があるんですよ。そういう時は良いライブができます。もし、緊張感をライブが始まってからドラムに持ち込んでしまったときは一回ミスをすると、良し!と開き直れる時があるんですよ。そのまま焦ってしまう時もあるんですけど。どの道を歩むかはその日次第ですね。 でも、緊張は自分を高めるいいことだと思うようにしています。パフォーマンスについては私も鏡をみて練習しています。特に前に出てドラムボーカルというスタイルでやっていてパフォーマンスをものすごく重視しているので、結構緻密に考えてやっていますね。 ここは手をこう持って行ったほうがカッコイイんじゃないかとか。ライブ中に偶然の産物で生まれたパフォーマンスで、今のカッコイイ!と思った時に次のフレーズに入れなかったこととか何度かありましたね。それをどんどんプラスして作っていくような感じですね。」
澤村「髪の振り上げ方にコツとかあるんですか?すごい羨ましいんですが。」
シシド「あれは、慣れですね。もう少し髪を伸ばしたほうがいいのかも。あ、でもコツはあるかも。後で教えます、笑。」
一同笑
MASUO「緊張は前はしてたけど、損するからやめた。緊張すると間違えるから。さっきの演奏でも間違えた部分はあるけど、間違えた時は間違えてないように見せる。間違えた瞬間は一瞬だから忘れるようにする。すごい長い時間に感じるけどライブ音源とか聞き返してみると一瞬の出来事でわからないんだよね。みんなライブで聞き流してるからね。パフォーマンスに関しては手を思いっきり振るようにしてます。外人みたいになりたいっていうね、それだけです。」
司会――「まだ時間あるみたいですね。では、男性のかたどうぞ。」
男性の方――「皆さんバンド練習やライブの演奏時に大切にしてること、音のバランスとかあると思うんですけど、何かあったら教えてもらえますでしょうか?」
澤村「キット全体の音量バランスとか難しいですよね。キット全体のバランスは結構長い間悩んでて、ハイハットがなりすぎてうるさいみたいなことをしょっちゅう言われててハットのサイズを変えたりも試したんですけど自分でコントロールできたほうがいいなと思って、振りは大きいんだけど全然力入れないようにしようとか意識してますね。」
シシド「バンドで演奏した時、特にライブとかでは、細かいことはあまり気にしてなくてとりあえず自分自身も音と一緒に転がって行けているかどうかということと、お客さんのことしか考えてないので…もっと色々気にしようと思ってます、笑。でも確かにハイハットの占め具合とかが緩んでくるときがあってそういうのは気にしたりしてますね。」
司会――「シシドさんは素足で演奏するスタイルですが、ハイハットのクローズの具合とか難しくないですか?」
シシド「たまに力はいりすぎると、痛いんですよね。やっぱり。裸足をチョイスしたのは私なので文句は言えないんですけど。たまに靴はいて練習とかするといいなとか思ったりすることはありますね。ただ、裸足で慣れちゃった部分が大きいので靴の重みとか計算できなくてちょっと早く出ちゃうんですよね。だからやっぱり裸足でやるしか無いですね。鉄のように固くするしかないです。」
司会――「なるほど、ではMASUOさんはありますでしょうか?」
MASUO「音のバランス?あんまり気にしてないかも。モニターは自分の音を返さないで極力小さい音でやるようにはしています。他の楽器(の返し)を自分の叩いているドラムの生音に合わせるぐらいでバランスをとってます。バンドによって結構変わるんだけど、ペース配分には気を配っています。BACK DROP BOMBとかで最初からがっちりいっちゃってスタミナが切れないようにとか。昨日やってた浅井健一とのバンド(Pontiacs)では3ピースで音数が少ないんでダイナミクスに気をつけたりとかそういう意味での深いところのバランスは考えてますね。」
司会――「なるほど、参考になります。ちなみに僕はタムの口径によって叩くスピードや力の入れ方を変えたりしています。僕に教えてくれた方もいっていましたが。小さな太鼓は軽い力でも鳴りやすいし、逆に大きなバスドラムなどは力を大きく入れなければなりにくかったりとかそういったバランスを考えながら叩いている方もいるようです。皆さん参考になりましたでしょうか?それではトークセッションの方を終了したいと思います。ありがとうございました。」
→次のページ: シシド・カフカ氏によるステージ演奏&MASUO氏による個別ドラムセミナー&澤村小夜子(ねごと)インタビュー!!